何気ない記録

なんとなく自分の意見を書き記すときにつかいます。つまり不定期更新です。

"救急医療の東京ルールの適用件数"を見るとかなり医療体制は崩壊している事が実感できる

日々発表される指標について、東京は明らかに異常なルールを適用している事から、重症者数を見てもその深刻さはあまり都民にも国民にも伝わりません。

ざっくり言えば、そもそも7月末の時点で国基準では東京都の重傷者数は4桁目前でしたから、既に今の時点では余裕で4桁を超えている事が想定され、つまり、雰囲気的には今の日本全体の重症者数は公表値の2倍程度が実数という事となります。

 

また、感染者数についても検査数が東京都は途中で頭打ちになる傾向にある事から、仮に陽性率が100%にでもならない限りは海外のような感染者数が報告される事はありません。

 

その結果、数値だけを見ると、まだ海外よりは…と勘違いしてしまいがちです。

 

ただ、そういったいろいろな指標の中でも冷静に見ると、あ、これ、ヤバい奴だ、とわかるものもあります。

 

例えば、東京都の指標で言えば「救急医療の東京ルールの適用件数」の推移はそのわかりやすい例の一つだと思います。

この「救急医療の東京ルールの適用件数」とは「救急隊による5医療機関への受入要請又は選定開始から20分以上経過しても搬送先が決定しない事案の件数」と説明があり、読んでわかるように、医療体制が逼迫又は崩壊すると如実に影響を受ける数値である事がわかります。

 

この値に推移は以下のような事になっています。

 推移は上記のグラフを見ていただければわかりますが、基本的には第5波が始まってから常に右肩上がりで悪化している事がわかります。

それでも先日の連休までは過去最悪の状況(1月12日の160件/日)を超える程にはなりませんでしたが、連休最終日の月曜日(8月9日)が180件/日、開けた火曜日(10日)が185件と急激に悪化し過去最悪の状況に至っています。

今後の推移にもよりますが、仮にこの値がさらに悪化し続けるという状況であれば、東京都も神奈川県同様に医療崩壊しており、コロナ云々に関わらず緊急性が高い搬送対応すらままならない状況が発生しているという事です。

もっとも、既に180件/日という過去最悪の数値で悪化している状況ですから、仮にこのまま横ばいであっても非常にまずい状況である事は明らかですが。

 

この数値について言えば、少なくとも東京都が虚偽の発表やルールの再変更をしない限りは誤魔化す事は出来ない数値であると考えます。

 

その為、今後の東京都のコロナを取り巻く環境の悪化についての判断はこの値の状況を見る事が一番わかりやすいのではないかと考えており、その他、重症者数については日々の公表値を参考にしつつ、実際には厚生労働省が定期的に発表している以下のリンクの数値をモニタする方が正しい状況を把握できます。

例えば、現時点で最新の報告は8月6日に公表された8月4日時点での国基準のモニタリング状況ですが、これによれば東京都の重症者数は827人であり、同日の東京都の発表が115人であったことから、実際の重症者数は東京都の報告値の約7.5倍の割合である事がわかります。

このことから、例えば8月11日の重症者数について東京都の報告では197人となっている事から、1450人前後が実際の東京都の重症者数である事が想定されます。

 

東京都というか、小池知事の方針として恐らく意図的に過小の数値を公表する方針にしているのでしょうが、結果として都民に対して東京都としてはそれほどでもないよ、という誤ったメッセージを強く発信している事は否めません。

 

控えめに言って、東京都だけで少なくとも4日時点で827人の重症者がいるという事は、全国で1605人が重症なわけですから、人口比で見ても異常な数値である事が分かります。

国基準で見れば、東京都は明らかにブッチギリで人口比で見た場合も悪化しており、日本の重症者の半数以上を東京都が抱えているという事が分かります。

当然ですが、東京都の人口は約1400万人ですから、日本の約1.2億人のうち約11%程度に過ぎないわけですが、その東京都が重症者のうち約51%を占めるという事がどれだけ異常な状態であるかという事はわかりやすいと思います。

こうやって基準をそろえてみれば、いかに東京の状況が最悪な状況であるかという事が非常に簡単に分かります。

 

何かを比較する時は、イコール条件で比較しなければならないというのは基本ですが、言い換えれば、何かを隠したいときはイコール条件にしない事で判断し辛くすることができるという事でもあり、今東京都や小池都知事はそれを悪用していると言えます。

 

なお、本来であれば検査数も人口比に応じて伸ばすべきですが、そこもあえて増強させない(できない可能性も否定できませんが、民間の活用で本来は検査だけであれば容易に増やすことは可能)事で、感染者数の告知自体も意図的に過小の数値を公表したいという腹積もりが見え隠れします。

 

政府もそうですが、東京都もこの状況をどうするのかというのは本当に疑問しかありません。

 

なお、定例報告では壊れたスピーカーのように攻める手段としてのワクチン接種率の向上的な発言を繰り返していますが、海外の実情を見ても、ワクチン自体は攻めではなく純粋に守りでしかなく、それ以外の対応に既に各国視線は移っているわけであって、いつまでワクチンのみに縋るつもりなのかこの点もよくわかりませんね。

 

いずれにせよ、上記で述べたように、東京都の数値をただ受け取るだけですと、実際にどういった状況であるのかというのが把握できない構造になっていますので、より状況を理解しやすい値を見つけ、その状況を注視し、その上で現実と向き合う必要があると私は思います。